資金調達における企業価値への影響について

mm理論 ファイナンス

資金調達の方法は大きく3種類

 

「株式発行」「社債発行」「銀行借入」

→資本構成に直結する。負債と自己資本との割合。

→企業価値を高めるためにどのような資本構成を行えばいいか?

 

収益性を表す指標

ROA(Return on Assets:総資産利益率)

ROE(Return on Equity:株主資本利益率)

 

ROA…利益を総資産で割ったもの。”資本”に対してどれだけ”利益”を上げたか。

ROE…利益を株主資本で割ったもの。”株主が投資した資本”に対してどれだけ”利益”を上げたか。

 

ROEは株主視点の指標。

 

理念として、利益は株主のもの。

※ただ、そもそも、企業は本当に株主のものなのだろうか。

企業は誰のものか

 

たとえ企業の利益が変わらなくても、株主資本が少なければ(借入金が多ければ)、一人あたりの株主の利益(ROE)は高くなる。

 

負債(Debt)を株主資本(Equity)で割ったものを負債比率財務レバレッジと呼ぶ。レバレッジとは「てこ」のこと。

 

負債利用≒財務レバレッジの上昇

→ROEを高める。

→だが、同時にリスクも増加する。…まぁ、借金するわけだから。

→儲かっているときにレバレッジを高めれば、ROEはより高くなる。業績が悪いときにレバレッジを高めれば、ROEはより悪くなる。

 

MM理論

 

アメリカのフランコ・モディリアーニとマートン・ミラーが1958年に提唱。後にノーベル賞を受賞。

 

完全な市場の下で企業が資金調達を行うときには、資金調達方法の組み合わせ方を変えても企業価値は変化しないという定理

MM理論

モジリアニ・ミラーの命題(MM命題)

 

→この世界は完全な市場ではない

 

法人税

負債を持つ企業の方が、企業価値が高い。法人税の支払い利息が節税効果を生む。

→負債を増やせば増やす分だけ企業価値は高まるが、そうはいかない。

→返済できずに財務破綻する可能性があるから。

→ちょうどよいバランスが最適な資本構成と言える。

 

最適資本構成は、負債の節税効果と財務困難に伴うコストとの、トレードオフと言える。この考え方をトレードオフ理論と呼ぶ。

トレードオフ理論

 

財務困難コスト

業績が悪化すると、株主と債権者に対立が起こる。
→株主が、NPVがマイナスの、リスクが高い事業を望む可能性がある。
→債権者はそのコストを念頭に置き、高い金利を要求する

このコストを下げるために、企業(株主)と債権者で契約を結ぶ時がある。財務制限条項と呼ぶ…配当や投資を払いすぎない、ある一定以上現金を保有しなければならない…等
日本における財務制限条項:実態と可能性

 

 

結局、最適な資本構成とはどうすれば求められるの?

 

財務困難に伴うコストを客観的に定量的に求めることは困難。最適な資本構成を求めることは出来ない。現実的な観点から資本構成を決める必要がある。

→行っている事業のリスクが大きいか、小さいか。固有の資産(土地等)や有価証券を保有しているか否かなど。

 

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